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日別アーカイブ: 2026年1月23日

かたづけ屋のよもやま話~個別リサイクル制度の時代~

皆さんこんにちは!

リサイクルショップ かたづけ屋の更新担当中西です♪

 

~個別リサイクル制度の時代~

 

高度経済成長によって廃棄物が増え、制度化が進むことでリサイクル業が社会インフラとして確立していく過程を見てきました。第3回では、1990年代以降に加速した「個別リサイクル制度」の広がりに注目し、現場に求められる役割がどのように変化していったのかを整理していきます。


1. 「まとめて処理」から「細かく循環」へ

かつてのごみ処理は、焼却や埋立が中心でした。分別はあっても簡易的で、資源化よりも「いかに安全に処分するか」が重視される時代が長く続きました。しかし、最終処分場の不足や環境負荷への懸念、資源価格の変動などが重なり、社会は次第に「処分から循環へ」と舵を切ります。

ここでポイントとなったのが、「品目ごとにルールを作る」という考え方です。容器包装、家電、自動車、建設資材など、製品ごとに素材や構造が異なる以上、最適な回収・再資源化の方法も異なります。結果として、個別の法律や制度が整備され、回収から再資源化までの仕組みが細かく設計されていきました。

この流れは、リサイクル業にとって大きな転換点です。現場は、単純な回収・処分ではなく、「制度に沿った再資源化の実行者」としての機能を強めていくことになります。


2. 容器包装リサイクルと分別の拡大

生活に身近な制度として象徴的なのが、容器包装リサイクルの拡大です。ペットボトル、プラスチック容器、紙パック、ガラス瓶、段ボールなど、日常的に出る包装材を資源として回す仕組みが広がりました。

この制度が社会にもたらした影響は非常に大きく、「市民の分別」が前提となる社会が形成されます。家庭での分別が進むほど資源の品質は高まり、リサイクル効率が上がります。しかし、その一方で、分別が不十分だと異物混入が増え、現場での手間やコストが増加します。

ここで重要になるのが、リサイクル業の現場が担う「選別・品質管理」です。市民分別だけでは完全な品質は確保できません。異物除去、素材別の分類、圧縮・減容、洗浄などの工程を通じて、再資源化に適した状態へ整える役割がますます重要になりました。


3. 家電リサイクルと「製品の分解」という仕事

容器包装と同様に大きな転換点となったのが、家電のリサイクルです。家電製品はプラスチック、金属、ガラス、基板など多様な素材で構成され、単純な破砕では資源の回収効率が上がりません。また、フロンなど環境負荷の高い物質を含む場合もあり、適正な回収・処理が必須です。

この領域で現場に求められたのは、「分解」「素材回収」「有害物質管理」など、高い専門性です。たとえば、冷蔵庫やエアコンでは冷媒や断熱材の管理が重要になり、テレビやパソコンの分野では基板や希少金属の回収が価値を持ちます。

リサイクル業はここで、単に廃棄物を扱うのではなく、「製品を資源の集合体として解体・分離する技術産業」へと進化していきました。


4. 建設系廃棄物とリサイクルの大型化

産業分野でも大きな変化があります。特に建設業界では、コンクリートがら、アスファルトがら、木くず、石膏ボードなど大量の廃材が発生します。これらは量が多く、処理の仕組みが整えば大きな資源循環の流れを作れます。

建設系リサイクルが進むと、破砕設備や選別設備、再生骨材製造などの技術が普及し、リサイクル業の設備規模は大型化します。ここでは、現場の物流管理も重要になります。建設現場から中間処理施設へ運び、適正に処理し、再生材として再び建設現場へ戻す。この循環の中核を担うのがリサイクル業です。

さらに、建設系廃棄物は不法投棄の対象にもなりやすく、適正処理の証明や管理体制が社会的に厳しく求められます。結果として、帳票管理やマニフェスト制度など、管理業務の比重も増していきました。


5. 分別が進むほど、現場は複雑になる

個別制度の拡大は、社会に分別文化を浸透させ、資源循環を前進させました。一方で、現場の仕事は確実に複雑化します。品目によって扱い方が違い、必要な設備や管理方法も変わるためです。

たとえば、同じプラスチックでも、硬質・軟質、単一素材・複合素材で処理が異なり、燃料化や材料リサイクルなど方法も分かれます。金属も混合状態では価値が下がるため、選別精度が収益を左右します。こうした「細分化された現場対応」が、リサイクル業の技術力そのものになっていきました。

この時代、リサイクル業者は、社会のルールを理解し、現場で実行し、品質を管理し、流通へつなぐ存在として、より高度な役割を担うようになったのです。